ネットショップが登場し始めた頃、決済方法はクレジットカード決済などの前払い決済がメインでしたが、現在では多くのネットショップで後払い決済を導入しています。後払い決済はお客様や事業主様にとってどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?今回は前払い決済と比較しつつ、後払い決済のメリット・デメリットをご紹介し、デメリットの回避方法と後払い決済を導入する際の注意点をご紹介します。
お客様が安心して購入できる後払い決済
前払い決済は事業主様がお客様からの入金を確認した後に商品を発送しますが、後払い決済は先に商品を発送し、お客様が内容を確認してから代金を支払う方法です。
ネットショップで注文・決済したにもかかわらず、商品が届かない通販詐欺事件は日本でも急増しており、お客様はインターネット通販の利用に少なからず不安を抱いています。事業主様が後払い決済を導入し、お客様が安心してネットショッピングを利用できる環境になることで、購入率のアップによる売上向上が期待できます。
ある調査では、ネットショッピングで希望する決済方法がない場合、ショッピングサイト閲覧者の73.7%が「サイトから離脱する」と回答した結果が出ています。提供する決済方法によって売上が左右されるといえるでしょう。
後払い決済は代金未回収のリスクも
一方で、前払い決済は入金が確認できるまで商品を発送しないため代金未回収のリスクはありませんが、後払い決済の場合は未回収リスクがつきまといます。代金未回収の原因は、お客様の入金忘れや故意に支払わないケースなど、さまざまです。
代金未回収による損害はもちろんですが、入金状況を管理して入金記録がないお客様に督促をしたり、場合によっては法的措置をとったりするなど、手続きに関する事務処理の負担が事業主様に重くのしかかります。事務処理コストの負担により、代金以上の金額を失うこともあるかもしれません。
悪質な利用者はサイト上で公表するなどの措置をとるネットショップもありますが、強硬な姿勢はショップのイメージを低下させる恐れもあるため、対応に悩む事業主様が多いのです。
後払い決済のリスクを回避する方法
代金未回収のリスクを回避するためには、決済代行会社による「後払い決済サービス」を利用する方法があります。後払い決済事業者がお客様へ請求する金額を立替払いするため、代金未回収リスクが回避されます。また、請求書発行や入金管理を後払い決済事業者が代行するため、作業負担の重い督促処理も不要となり、事務処理コストの大幅な削減につながります。
後払い決済サービス導入の注意点
後払い決済事業者の後払い決済サービスを利用する際は、キャンセルや返品の扱いについて注意しなければなりません。キャンセル処理のタイミングにより、事業主様が負担する請求書発行費用や対応方法が変わります。
また、返品時もお客様からの入金有無により対応が変わります。例えば、注文した商品の一部返品を受ける場合、入金前なら返品分を除いた金額で請求書を再発行し、入金後なら返品分の代金を返金するというように運用フローを事前に考慮しておく必要があります。
POINT
後払い決済はお客様のニーズが高く、事業主様はぜひ導入しておきたい決済方法です。反面、支払い忘れや代金未回収のリスクもあり、事業主様の負担が増える可能性もあります。しかし、後払い決済事業者による「後払い決済サービス」を利用することでその負担も減少できます。決済代行会社に委託すると事務処理コストも大幅に削減できるため、ぜひご利用をご検討ください。