口座引き落としの仕組みやメリット

「口座引き落とし」は、一般的な支払い方法として広く利用されている決済方法です。幅広い世代の人々になじみ深いため、事業者様は支払い方法のひとつとして導入すればビジネスチャンスを広げるきっかけにつながります。ここでは、この口座引き落としの仕組みやメリット、利用にあたっての注意点をご紹介します。

口座引き落としとは

口座引き落としは「口座振替」「口座自動振替」などとも呼ばれており、主に毎月の公共料金(電気、水道、ガス、電話料金など)や税金(自動車税、固定資産税、ふるさと納税など)、クレジットカード代金の支払いなどで使われています。
お客様は口座引き落としの利用開始時に申請が必要です。利用申請には、インターネット上で手続きできる「WEB受付サービス」と、郵送で口座振替依頼書を提出する「振替依頼書サービス」、手持ちのキャッシュカードを利用して契約先収納機関の口座振替受付端末から申し込みできる「口座振替受付サービス」があります。WEB受付サービスは利便性が高い一方、身近にインターネット環境がない方にとっては利用が難しいため、ここでは振替依頼書サービスに的を絞ってご説明しましょう。

口座引き落としの導入メリット

口座引き落としの導入メリット

事業者様にとって、振替依頼書サービスによる口座引き落としを導入するメリットは大きく3つあります。

1.入金率がアップする

毎月など定期的に支払いが発生する場合は、ときにお客様がお振込みを忘れてしまう可能性があります。しかし、自動的にお客様の金融機関口座から引き落とされる本サービスを利用すれば、未払いがほとんどなくなり入金率が上がります。
また、お客様は手数料がかからず、金融機関・コンビニエンスストアへの来店が不要なため、会費や月額固定費の場合も課金が常にスムーズで、その結果、サービス継続効果が期待できます。
さらに、もしお客様の口座が残高不足で引き落とせなかった場合、金融機関との契約により再引き落としが可能なため、入金率はさらに上がります(ただし、金融機関への手数料が増額になる場合があり)。

2.幅広い年齢層のお客様に対応できる

都市銀行や全国の信用金庫、ゆうちょ銀行、ネット専業銀行(インターネットバンキング)などに対応しており、あらゆるお客様に対して販売促進できます。特に、コンビニエンスストアやインターネットでの支払いに不慣れな年配者や、日中多忙なビジネスパーソンなどに多く利用されています。

3.低コストで効率良く運用できる

事業者様が支払う手数料が比較的安く、手間と時間がかかる集金作業を低コストで効率化できます(ただし、通常は口座引き落とし1件あたりに定額手数料がかかるため、小額の引き落としには不向き)。

口座引き落としに向いている業種は?

口座引き落としに向いている業種

口座引き落としは基本的に、お客様からのお振込みがある事業者様全てが対象となるサービスです。中でも以下の業種はサービス導入に適しています。

ECサイト全般

ECサイトは通常、お客様に対して支払い方法を複数用意します。特に、幅広い世代をターゲットにした商品を扱う場合、年配者でも利用しやすい口座引き落としは便利です。また、実店舗を含め複数店舗を経営している場合は、煩雑な入金管理の負担を少なくするために導入をおすすめします。

教育関連(学習塾・習い事・スクール)

生徒が月謝を持参して支払う場合は、受付作業や現金の紛失・盗難リスクが発生します。特に、子供対象の塾や習い事は現金の取扱いが難しいため、保護者の金融機関口座から引き落とすことで月謝の回収を確実に行えます。

不動産賃貸業

多くの賃貸物件を管理する不動産業は、家賃の未回収や、入金の消込み作業に手間がかかるなど、入金管理が大きな負担に。口座引き落としを利用すれば、自動的に家賃を回収でき、入金管理しやすくなります。

介護関連サービス

介護関連サービスは利用者の大半が年配者で、パソコンが不慣れであったり、入金時の外出が難しかったりする場合があります。振替依頼書で口座引き落としを最初に申請しておけば、以降は利用料が自動的に支払われ、お客様の作業負担はありません。

口座引き落とし導入にあたっての注意点

上記のとおり、さまざまな点で便利な口座引き落としですが、システム導入時にはいくつか注意すべき点があります。
まず、口座振替依頼書による申請で開始する場合、お客様に依頼書の記入・押印を依頼の上、金融機関に送付して登録する、という作業が発生することです。
次に、口座引き落としを行う金融機関は、お客様が常時利用しているところから選択できることが理想的なため、事業者様は多くの金融機関と契約する必要があります。
また、口座引き落とし日は月の特定日に決っているため、支払い発生から入金までに最大2ヶ月程度の日数がかかる可能性があります。
そして最後に、収納代行会社によっては法人の対応が不可能な場合もあるため、収納代行会社を選ぶ際は、個人・法人それぞれ契約が可能かどうかを確認することが大切です。

昨今では、単発のお支払いや継続的なお支払いにクレジットカードをご利用される方も増えてきています。
口座引き落としとは異なり、クレジットカードでお客様がお支払いをした場合その場でお支払いの可否が判明するため、事業者様は代金の未回収リスクを抑制することが可能です。
口座振替での未回収対応は時間と労力(人件費)がかかるため、未回収率が高めな事業者様や事前に抑制策を講じたい事業者様にはクレジットカード決済もおすすめです。
クレジットカード決済の導入には、決済代行会社を利用されることをおすすめします。クレジットカード会社との契約やシステム構築などは、決済代行会社が代行してくれるので、事業者様は手軽に導入することが可能となります。

POINT

顧客ニーズが高い口座引き落とし(口座自動振替)の仕組みと注意点のPOINT

ここでは、顧客ニーズが高い口座引き落としの仕組みやメリット、契約時の注意点についてご紹介しました。口座引き落としは、お客様と事業者様の双方にメリットがある決済方法です。広く認知されているからこそ、多くのお客様がご利用しやすいサービスのひとつとして口座引き落としを取入れ、事業発展に生かしましょう。

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